先日神戸の金融機関で、支店長や幹部70人の皆様に「新人の離職を防ぐコミュニケーション」というテーマで研修をさせていただきました。
二部構成で、一部は女性弁護士の先生がハラスメントやLGBTについて、判例を交えて分かりやすく話され、
二部は私が採用や新人研修、学生の授業を通して、この30年感じてきた若者の気質の変化や、
効果的なコミュニケーションの取り方について具体的にお伝えしました。
仕事柄様々な企業に伺う中で、幹部や社員の皆様の「挨拶や傾聴姿勢」でその会社の印象が決まりますが、
エレベーターでお会いした初対面の方が「応接室までご案内しましょうか?」と爽やかに気遣ってくださり、好印象でのスタートとなりました。
若手の育成もそうですが、研修は明るい雰囲気で進行した方が効果が期待できます。
「新人の働く目的」や「理想の上司像」の経年変化も踏まえ、効果的なコミュニケーションや具体的なスキルをお伝えしました。
ワークをする時間がなかったのが残念でしたが、継続して実践くださることと思います。
〈ワンポイントマナー〉
本来、叱るべきは叱ってやるのが真の愛情です。が、感情のまま頭ごなしに叱って相手に届かず、結局退職してしまうのは賢いやり方ではありません。
人間、経験を積んで、後になって分かることも多々あります。
伝え方、タイミング、手順を変えることで、随分効果が違ってくることを多くの失敗で痛い目にあって掴んできました。
今はまず、最初に信頼関係を作ることに全力を注いでいます。
「この人の言うことなら」と思ってもらえると、厳しいことを言っても「自分のために言ってくれている」と伝わります。
2019年新入社員意識調査(日本能率協会)によると、新人が「仕事をするに当たって不安に思っていること」1位は、「仕事での失敗やミス」(43.0%) と「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」(43.0%)が同率トップで4 割以上。
対応策として➪労力はいりますが、報連相を習慣づけるとミスを事前に防ぐことができ、やり直しの無駄な時間が減ります。
また、新人は「チャレンジしない」「積極性がない」と耳にしますが、業績に影響ある仕事を任されることもまだ少ないでしょうから、失敗を恐れる傾向が強いため「失敗から学ぶこともある」「自分も若い頃こんな失敗をした」と不安を和らげていただければと思います。
また「職場の人間関係」は厚生労働省の統計でも常に上位です。
特に女性は人間関係がモチベーションに影響すると感じています。
入社後できるだけ早いタイミングで、「あなたたちはライバルではなくて、同じ目的を持つ仲間、チームの一員」だと伝え、不安や不満があれば相談できる信頼関係づくりをしていただければと思います。
人間関係が良いと生産性は向上するというデータもあります。
そして朝礼や経営理念・フィロソフィー勉強会を通して、「プラス思考」や「素直さ」「感謝の心」など、組織が大切にしている考え方を浸透させ、「人間力」の素地から作っていかなければならない時代になってきていると思います。